先日、あるお客様から子育てについてこんなお話を伺いました。
この春、中学校に入学したばかりのお姉ちゃんと、小学校に入学したばかりの弟くん。
環境がガラリと変わる中での、登校初日のエピソードです。

「上の子が“弟と一緒に学校に行く”と言ってくれたので、嬉しくて任せたんです。
でも実際は、お友達と手をつないで先に行ってしまい、弟が一人になってしまって…」
その様子を見て、お母さんはとてもショックを受け、帰宅後、上の子に強く伝えたそうです。
「やると言ったなら、最後まで責任を持ってほしい」と。
とても自然な気持ちですよね。
期待した分だけ、がっかりしてしまうのも無理はありません。
子どもは「役割」より「自分の世界」を生きている
ただここで、ひとつ大切な視点があります。
それは、子どもはまだ
「誰かの役に立つこと」よりも「自分の世界を広げること」に一生懸命な時期だということ。
特に中学1年生という時期は、本人にとっても新しい友人関係や部活動など、
大人が思っている以上に心の余裕がありません。
初日の登校、彼女自身もまた精一杯だったのだと思います。
- 新しくできたお友達
- これから始まる中学校生活への期待と不安
- その中での自分の立ち位置
下の子は「自分の力」で一歩を踏み出している

一方で、新小学1年生の弟くんは、その状況の中で一人でもしっかりと前を向き、
自分の足で学校へ向かいました。
これは、実はとても大きな一歩です。
お姉ちゃんに頼り切るのではなく、自分で進もうとする力が、この環境の変化の中で芽生え、
すでに育っている証でもあります。
親の「期待」は愛情、でも時にプレッシャーになることも
親としては、
「せっかく自分からやると言ったのだから」
「中学生(お姉ちゃん)なんだから」
そう思うのは、子を想うからこその自然な感情です。
でも、新しい生活が始まったばかりの彼女にとっては、その期待がまだ少し重たかったのかもしれません。
振り返りの中にある、大切な気づき
今回のお母さんはその後、ご自身の中で振り返り、
「行く前に、もう少し具体的に伝えてあげればよかった」
と感じられたそうです。
- 一緒に歩くときは、時々後ろを振り返ってあげること
- 離れそうになったら声をかけてあげること
- 校門の前で「行ってきます」と声をかけてから別れること
そういった細かなルールまで、丁寧に「ガイドライン」として伝えてあげることも大切だったと気づかれました。
そしてもう一つ、「少し強く言いすぎてしまったかもしれない」という想いも湧いてきたそうです。
一生懸命向き合っているからこそ、つい感情が動いてしまうのは、誰にでもあることです。
大切なのは、その後にこうして自分の関わり方を見つめ直せること。
それはお子さんへの、とても深い愛情のあらわれです。お母さんはその想いを、
きちんとお子さんにも伝えたそうです。
この出来事は「失敗」ではなく「成長の種」
今回の出来事は、決して誰かの失敗ではありません。
- お姉ちゃんにとっては「言葉に責任を持つことを知る経験」
- 弟くんにとっては「自立への一歩」
- 親にとっては「成長に合わせた関わり方を見直す機会」
それぞれにとって、意味のある大切な時間になっています。
子育てに「正解」はありません。だからこそ、一つひとつの出来事から気づきを受け取り、
次に活かしていくことが何より尊いのだと感じます。
最後に
うまくいかなかったように見える出来事の中にも、ちゃんと「成長の芽」はあります。
どうかご自身を責めずに、「気づけた自分」を大切にしてあげてくださいね。
お子さんたちは、それぞれのペースで、しっかりと新しい世界へ踏み出しています🌸
